マウス・タダイマノトビラ 村田沙耶香

 

・マウス

紹介なし。

女の子の青春小説。「しろいろの街の、その骨の体温の」よりも嫌われている内容や嫌われ方が論理的で小説的意味づけがされているため、やや紋切り型になっておりリアルさが薄れた印象。読み物としてはすっきりとしたHappyEndになるので読後感がよかった。

 

・タダイマノトビラ

紹介なし。

家族だからといって愛さない・愛されない・愛せないため苦しむ話。理想の家族を思い描いていて、家族欲を満たすために他者をつかう(作中ではカゾクヨクナニー)というのは、夢だと思わなければ幸せなのに…と思うが、家族という夢から覚めて、人間という夢からもさめてしまうというオチの描かれ方には納得がいかない。